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【娯楽室】山谷(さんや)ってどんなところ?

 いきなりですが、現在「山谷」という地名はありません。1962年に地名はなくなり、日本堤に変更され「山谷」は通称としてよばれているだけです。山谷というと「ドヤ」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、「宿」を逆から読んだ隠語で、普通の宿とは呼べない簡易宿泊所を指します。

 高度成長時代に様々な建造物を作るにあたり、大量の労働者が必要となり、様々な労働者がドヤに泊まりながら、日々土木作業や建設に携わっていたのですが、バブルの崩壊と共に日雇いの仕事は激減していきました。


 今もなお、日雇い労働の街としてのイメージが強い山谷ですが、現在は高齢化が進み90%近い方々が生活保護受給者です。そのため、生活保護を受給しながらドヤで生活するという福祉の街に変化しつつあり、昔のような暴動が起こったりする事もありません。Tokyoオリンピックに備えるため、2017年には泪橋交差点近くの路地から土手道につらなっている「いろは会商店街」のアーケードが撤去されました。

 

 アーケードの老朽化に加え、風雨が凌げるアーケード下に路上生活者の人々がいたためでもあります。こうした取り組みにより、現在は路上生活者の数もだいぶ減少しています。 


 また、山谷は漫画「あしたのジョー」の舞台になったことで有名となり、2012年に「いろは会商店街」の入口(土手通側)には地域や商店街の活性化のために「立つんだ像」が建てられています。

↑こちらが有名な「立つんだ像」↑

城北労働・福祉センター娯楽室

生活相談員 島崎 正隆

~城北労働・福祉センター娯楽室とは~

公益財団法人東京都福祉保健財団 城北労働・福祉センター娯楽室は、山谷地域の日雇い労働者の方たちに健全な娯楽と一時の休憩場所を提供するために設置されました。昭和61年現在地に移転。平成5年4月より有隣協会が運営。テレビの視聴、将棋・囲碁の対局、読書、新聞の閲覧、麺類の調理等を行うことができます。月に2回、医師や看護師等による健康相談が実施されます。

→詳しくはコチラ

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コメント: 4
  • #1

    ゆうりん大森 埴生 (金曜日, 28 4月 2023 14:57)

    お疲れ様です。入職して間もない頃、法人内研修でこの地域を案内して頂いたのを思い出しました。時代の流れと共に街並みや地域の呼び方まで変化するんですね。興味深いです。

  • #2

    浜川荘 吉田 (土曜日, 29 4月 2023 03:45)

    山谷、とても魅力的な街ですよね。洞爺湖サミットで世界からの来賓に提供された「カフェ・バッハ」もありますね。
    「ドヤ」という表現は差別用語や不快用語とされているため、マスメディアでは用いられない表現になっています。法令上は「簡易宿所」であり、その他には「簡易旅館」や「簡易宿泊所」という表現を用います。「普通の宿とは言えない」とも言いきれないほどの基準に改修されているところも増えてきています。
    山谷や簡易宿所とも関わりの深い法人として、「ドヤ」という表現の使用については慎重でありたいなと思います。

  • #3

    娯楽室 島﨑 (金曜日, 12 5月 2023 09:03)

    コメントありがとうございます。表現の仕方については今後、ブログ等を書く際には気を付けていきたいと思います。

  • #4

    委員長 肥後 (金曜日, 12 5月 2023 13:40)

    ブログを見て気づくところがあっても、なかなかコメントや意見はしづらいと思いますが、そんな中ご意見をお寄せいただき、またその意見に対して真摯に回答頂けるのは、皆さんの前向きな姿勢が法人全体に伝わって、とても嬉しいことだと感じています。これからもブログの投稿、意見・コメント、よろしくお願いいたします。

社会福祉法人 有隣協会 

 

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